□ 紺紙金字一切経
紺紙に銀罫を施し金泥で書写した一切経で、表紙は宝相華唐草文様、見返しは釈迦説法の図を金銀泥で描いている。 寺伝によれば、この一切経は鳥羽法皇の発願になり、御子後白河法皇がその遺志をついで完成されたという。 また、付属の経帙は、墨染の竹簀を色糸で縞模様に編んでつなぎ、竹簀の下に敷いた雲母のきらめきを透かして見せさらに縁に錦を貼り蝶型の金銅金具を置くなどの手のこんだ美しいもので、その経帙の銘文によってこの一切経が久安五年(1149)頃の製作であることがわかる。